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2010-02-24

グッゲンハイム・フォーラム

今の美術館は、単に作品を鑑賞するだけの場所でなく、様々なパブリック・プログラムに参加しながら、より深く作品やアート全般について知る事ができる場所ですが、それは美術「館内」に限ったことではありません!

ニューヨークのグッゲンハイム美術館が年に数回行っている、アート、建築、デザインについてオンラインでディスカッションを行うグッゲンハイム・フォーラムが2月22日から26日まで行われています。勿論一般の方も参加OK!さらに、25日には1時間に渡るライブ・チャットが行われる予定です(現地時間25日木曜、午後2時から;日本時間26日午前4時から)。

今回は、現在行われているティノ・ セーガル(Tino Sehgal)展にフォーカスしながら、「物質的価値の向こうに(Beyond Material Worth)」と題し、経済の過剰生産と自己破壊的慣習から持続可能な社会への移行が叫ばれる中でアートと経済はどのようにしてこの歴史的転換期と価値の変移を乗り越えていけるか?というような内容です。すでにフォーラムのサイト上にはセッション1の記録が載っています

多くのアーティストが物を材料として製作をしているわけですが、アートは環境やその他の社会問題にどうやって取り組んでいけるのか?これから大きなテーマになりそうです

参加者:
Martha Buskirk, professor of art history and criticism at Montserrat College of Art
Juliet B. Schor, professor of sociology at Boston College
Simran Sethi, journalist and associate professor at the University of Kansas School of Journalism and Mass Communications
Peter G. Brown, professor in the School of Environment, the Department of Geography, and the Department of Natural Resource Sciences at McGill University

グッゲンハイム・フォーラムのページ:
Guggenheim Forum: Beyond Material Worth


ちなみに、グッゲンハイム美術館ではいつも興味深いプログラムが行われています。私がtheanyspacewhateverを観に行った時、”24-Hours on the Concept of Time”というプログラムが丁度行われていたのですが、時間という概念について様々な分野のエキスパートが24時間交替で話し続けるというものでした・・・

2010-02-21

グッゲンハイム美術館とwebデザイン

ニューヨークのグッゲンハイム美術館と言えば、フランク・ロイド・ライトによる内部が螺旋状になったデザインで有名な建物ですが、その16年間にわたる建造の歴史をウェブで辿ることができますー”Keeping the Faith with an Idea

このサイトでは、一筋縄ではいかなかった完成までの道のりを、年代ごとにまとめられた手紙、写真、インタビュー等を通して紹介しています。(構想段階の1944年のスケッチでは、建物が6角形になっていたり、外観が真っ赤だったりします!)

Copyright: maico@artatworld


今回このサイトが2010年のSouth by Southwest (SXSW, Inc.)のインタラクティブ部門のウェブデザインで最終選考まで残りました。ちなみに、SXSWとは毎年春にテキサス州オースティンで行われる、音楽、映画、インタラクティブ部門のある産業見本市で、「世界中から毎年約15,000人もの音楽関係者が集まり、仏カンヌのMIDEM(ミディム)、独ベルリンのPOPKOMM(ポプコム)と並ぶ世界3大国際音楽産業見本市の一つ」(SXSW ASIA Representativeより)です。
一応ビジネス目的の方が中心ですが、私もテキサスにいた頃1回行った事があります。(もう当日券しかないですが、Music部門だと1人$750で期間中のイベントに入りたい放題)


アート、音楽、ビジネス、他18の項目で最終選考に残ったウェブがみれるページは↓から
2010 SXSW Web Awards

2010-02-19

ミロスワフ・バウカのアプリが登場

今回iTuneのApp storeから、テート・モダンのタービン・ホールで現在開催中のミロスワフ・バウカ(Miroslaw Balka)による第10回ユニリーバ・シリーズ、“How It Is”とコラボした無料アプリがお目見えです(英語のみ)。

このアプリでバウカの作品を3Dで探検したり、インタビューを聴くことができます。しかも、実際にテート・モダンに行ってアプリを起動すると秘密のゲームも楽しめるようです!


テート・モダンのアプリ紹介ページはここをクリック





Copyright: Tate Modern

Tate Modern|The Unilever Series: Miroslaw Balka
”How It Is”
場所:テート・モダン(Tate Modern
会期:2009年10月13日ー2010年4月5日

2010-02-17

ピエール・スーラージュ@ポンピドゥー・センター


「スーラージュ」
場所:ジョルジュ・ポンピドゥー国立美術文化センター(Centre Pompidou
会期:2009年10月4日ー2010年3月8日





© Centre Pompidou


スーラージュ展の紹介ページより:

ポンピドゥー・センターでは、現在のフランス画壇で最も優れた画家、ピエール・スーラージュの作品を讃えるため、初となる大規模な回顧展を行っています。90歳になろうとする彼ですが、スーラージュ「黒と光の画家」は抽象美術において重要な人物のうちの一人として評価されています。

ポンピドゥー・センターでは、当センターが開館する前の国立近代美術館で1967年の展覧会後、初めてとなる大規模なピエール・スーラージュ展を1979年に行いました。この秋の展覧会では、60年以上に渡る絵画を振り返り、より最近の作品の発展に重点を置きながら彼の全作品に新しい解釈を示していきます。
本展では、1947年から1949年にかけて描かれた印象的な胡桃染料の作品から、ほとんどが初公開の力強さと彼の常に進化するアプローチが見られる近年の絵画等、1946年から現在に至る100以上もの重要作品を一堂に展示します。


Centre Pompidou:SOULAGES

全文英語若しくは仏語ですが、ポンピドゥー・センターのページでスーラージュ作品の詳しい解説がここから読めます。


Walnut stain, 1959
Walnut stain wash on paper
Collection Centre Pompidou, National Museum of Modern Art
Photo Collection Centre Pompidou, distributed RMN

2010-02-09

金子潤@フィラデルフィア美術館

アメリカのメジャーな美術館で日本人アーティストの個展が行われているので、今回はその情報をupしました。

(ちなみに私にとってフィラデルフィア美術館はデュシャンの作品が大量にあるので、まるで天国のようなところです。その他、近代アートの巨匠達の作品が数多く展示されています。あと、いつも人も少なめなので、一人でのーんびり見たい方にはけっこう穴場な美術館です)


「ジュン・カネコ」
場所:フィラデルフィア美術館(Philadelphia Museum of Art
会期:2009年9月5日ー2010年4月18日

PMFのページより:

1942年、名古屋に生まれた金子潤はシュイナード美術大学(the Chouinard Art Institute)でアメリカでの本格的な美術の勉強を始め、バークレーとクレアモント大学院で勉強を続けた。1990年代半ば以来、現在も進行中の巨大なセラミックのシリーズ、それは作家によって集合的に「ダンゴ」と呼ばれる作品に取り組んでいる。一つ一つの作品が複数の行程(絵付け、色付け、焼成、うわ薬がけ)をもつことによって、作家に絶え間ない、そして真剣な手と作品との関わり合いを要求する。これら4つの立体芸術作品はさらにミッション・クレイ・プロジェクトと(the Mission Clay Project)いう合計41の新作を生み出した一連の作品を代表している。そして、このプロジェクトには完成まで3年という月日を要した。


PMF: Jun Kaneko

Untitled, 2007
Jun Kaneko
American, b. 1942
Glazed stoneware
Courtesy of Jun Kaneko and Locks Gallery

2010-02-05

ルノワール@ロサンゼルス郡立美術館

現在国立新美術館で「ルノワール―伝統と革新」展が開催されていますが、ロサンゼルス郡立美術館でも今月半ばからルノワール展が始まります。

「20世紀のルノワール」
場所:ロサンゼルス郡立美術館(LACMA
会期:2010年2月14日ー2010年5月9日

LACMAのページより:

20世紀のルノワール
「20世紀のルノワール」展では、彼のキャリアの中でも印象主義との決裂に続く、装飾的で古典的、また非常に個人的なグレイト・トラディションの解釈に特徴づけられる最後の30年間に焦点を当てます。このように研究、展示されなかったことのなかったこの時期のルノワールの絵画は、それらがハイ・モダニズムの歴史の中に違和感なしに収まらなかったため、しばしば誤解されています。この展覧会は1985年にパリのグラン・パレ国立ギャラリーで包括的な回顧展が行われた以来初めてとなる、ルノワールのモノグラフ的研究であり、またロサンゼルス郡立美術館によって初めて催されるものでもあります。近代主義というレンズを通し、ルノワール作品にかつてない観点を持ち込むことにより、この展覧会は多くの人の頭にある19世紀と20世紀アートの間にある隔たりの橋渡しをします。


展示されている作品の中から14点が下記のページで見る事が出来ます
LACMA: Renoir in the 20th Century


Pierre Auguste Renoir (1841-1919)
Girls at the Piano
1892
Oil on canvas
H. 116; W. 90 cm
Paris, Musée d'Orsay
© RMN (Musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski
art to art, English to Japanese, etc...