土曜日に皇居周辺のお花見をかねて行ってきました。
こういうアートを売買目的としたイベントに行くのは初めてだったのですが、美術館とは違っていろんな作品を一気にみれるので個人的には楽しめました(日本の古美術からコンテンポラリーまで様々。でも絵画中心)。
ブースによっては作品がけっこうあったので、作品にぶつかりはしないかとちょっと不安なところもありましたが...
アートを買う気がなくても絶対楽しめるイベントなので、「フェアだから...」と思っている人にもオススメします。あとはアート・トークを聴くのにもいい機会です。
気になった作品は何点かあったのですが、とりあえず一つ上げるとすれば、
ギャラリー小柳のところの須田悦弘(すだ よしひろ)
今回はバラ一輪のみを飾ってあるという、他のブースにはない演出。
なんだかあのスペースだけ雑音の中で時が停止した静けさを放っていました
でも私が特に気になったのはそこになかった作品。
しかも「雑草(Weeds)」
カウンターのところに2004年パレ・ド・トーキョー(パリ)で行われた展覧会のパンフレットがあって、中をぱらぱら見ていて発見。
なんで私が「雑草」に興味をもったかというと...
まず、高校入試の小論練習をしていた時、当時の国語教師に教えてもらった過去問に「ヨーロッパには雑草がない。それはなぜか」という問いがあったからです。当時の私はヨーロッパの人は雑草という一見無価値のようなものにも何らかの価値があるはずだから、「雑草はない」というのかな、と考えていました。
今考えても難問です(~_~;)
例えば、最初に日本語でいう雑草のイメージを上げると、そこら辺に生えている取るに足らない植物や農耕地に生える農作物以外の邪魔な植物を思い浮かべると思います。既にこの時点で「取るに足らない、存在価値を無視された」植物と「邪魔な、必要のない(若しくは存在価値を否定された)」植物という2通りが考えられるのです。ヨーロッパの雑草について話す以前に日本語の雑草って?ってな話になってしまいます...
実際ヨーロッパでこんな事を言うのかは定かではありませんが、この展示を機にまた私を悩ませる問いでした(当時は小論の文字数指定が1800字前後だったので、さらに四苦八苦してました)
そして、この作品の元となった雑草がシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)っぽかったから。
(実際はただのシロイヌナズナ属の他の植物かもしれませんが)
シロイヌナズナは、2000年に植物としては初めて全ゲノムが解読され、モデル生物として植物学をやっている研究者には超重要な植物なのです!シロイヌナズナの野生種をもとに、研究用に遺伝子組み換えされたものもたくさんあります(もちろん市販はされていません)。
仮にこの木工作品がシロイヌナズナをモデルとしていたら、「なんでギャラリー(若しくは美術館)に実際雑草だけれど生物学の研究では重要なものが!?」となるのです。作品の精巧さに驚き、その正体にびっくり。
普通にみたらタダの雑草
よく観れば精巧な木工作品
研究者が見たら研究用モデル生物
見方もいろいろ
写真はArtnews.orgのページから


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