この間「アートフェア東京2010 - 雑草編」で書いた須田悦弘さんがニューヨークにあるAsia Societyで2月まで個展をやっていました。
Yoshihiro Suda: In Focus
丁度そのページにインタビューが載っていたのでリンクを貼っておきます。
作品制作から構想等色々なことを話されているので、作品について更に知りたい方は是非読んでみてください
Telephone interview with Yoshihiro Suda
(インタービューは全て英語となってます。あしからず。)
こないだのアートフェアでもらったPalais de Tokyoで展覧会をした時のパンフレット(仏語は読めないので翻訳ソフト使用)のインタビューとこれを読んで、ほんとに色々な視点で鑑賞できることがわかり興奮しております
例えば、この間のエントリーでも紹介した雑草の作品ですが、彼は2006年に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で108の「雑草」を設置したそうです。108と言えば除夜の鐘の数。あの鐘をつくことによって百八煩悩を一つ一つ吹き消す意味があるそうですですが、さて雑草に置き換えて考えると?
また、作品の一つに朝顔の花がありますが、これはPalais de Tokyoのパンフレットによると千利休の「朝顔の茶会」から発想を得たそうです。この茶会のエピソードというのは、千利休が秀吉に朝顔が咲いているからと招待したのに、秀吉が行ってみれば庭には一輪も咲いていない。茶室に入ってみると、朝顔が一輪だけ生けてあり、秀吉が感嘆したというものです。
(Yoshihiro Suda, Morning Glory. 2007. Painted wood. Installation view at Galeria Fortes Vilaça, Sao Paulo)
アートは知れば知るほど楽しい
数分美術館の作品の前で「見る」だけでなく、様々な角度から考察してみるとより深く作品を楽しめると思います
私がアメリカで西洋美術史のクラスをとった時、一番始めの授業で教授が示した美術[史]を読む上で重要なことは以下の4つでした
contents(内容:何がこの作品に含まれているのか、また材料や技法)
intents(意図:何故この作品が作られたのか、何故この材料や技法なのか)
contexts(文脈:歴史的なものを含め、どのような流れがあるか)
critical/aesthetic reception(評論的/美学的感受能力:根本的な題材とは)
ま、たアーティスト、作品、材料、スタイル、後援者、鑑賞者のもつ多様性と複雑性を正しくとらえ、評価していくことも重要ということでした
いろいろな鑑賞の仕方はあると思いますが、その教授流に言うと、作品は事件現場みたいなもので、それを精査していくのがアート鑑賞といえる、なんて言っておりました(ちなみに彼は18世紀イギリス美術史の専門家です)
最後に、前回の雑草編に続きちょっと批評もどきでもしようと思っていたのですが、能楽とか日本の伝統芸能の絡めて書こうと思ったら原書を読まないと...となって、途中でストップしてしまいました。
それではこの辺で・・・


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